きっかけは2019年1月に行なった日本外国特派員協会での会見だった。
この会見で筒香は、子供たちが置かれている野球環境の改善に向けて様々な角度からの提言を行った。そして質疑応答の中で、ある外国人女性記者が投げかけたのが、野球少年を息子に持つ、あるいは持ったことのある多くの母親たちの怒りだった。
「(日本の少年野球は)スポーツではなく武道のようなものではないか?」
こう問いかけた女性記者は、さらに子供たちだけではなく母親たちの抱える問題を訴えたのである。
「母親の置かれている環境、例えば夏休みの間、母親はずっと練習を観にいかなければならない。また指導者と子供のために100人分のお昼ご飯を作らなければならないということも私は知っている」
母親を悩ます“お茶当番”
筒香も自身の出身チーム・堺ビッグボーイズで父兄から聞いた話としてこう応じた。
「近くのチームに入ろうとしたら、あまりに(指導が)怖すぎて入部できなかったという声が多々ありました。また練習が長すぎて子供たちが遊びに行ったり、勉強する時間がない、また親も“お茶当番”があるので子供たちと出かけたり、お母さんたちが何かやりたいことが何もできないという声も聞きました」
このことを報じた文春オンラインの記事は大きな反響を呼び、その結果、筒香の元には母親たちから窮状を訴える“ファンレター”が届くようになった。
手紙の1つ1つに目を通して、筒香は改めて問題の根の深さを再認識したという。
「手紙を下さった中で、野球の指導者はほとんどいなかったですね。指導者の方で『僕も考え直さなくちゃいけないと思いました』というのは1人か2人くらいでした。後は男性だと、『僕も賛成しているので、良かったら仲間に入れてください、参加させてください』というものが多かった。ただやっぱりこの件に関して圧倒的に多いのは、野球をやっている子供を持つお母さん方からの手紙です」
それぐらいに母親たちにとり、子供に野球をやらせることの負担は大きく、その窮状を訴えたくても訴える場所もないということだ。だから筒香の発言を聞き、藁にもすがる思いで筆を執ったのだろう。
「お母さん方から来た手紙は、監督、コーチの車での送り迎えとか、昼ごはんの用意や来客へのお茶出しをする“お茶当番”のことが多かったです。監督はこのコーヒー、コーチにはこのお菓子とか決まっていて、それを用意しなければならない。しかも人数が多くないチームだと“お茶当番”が回ってくるのも早い。土、日は球場に行って何*るのが当たり前になっている。子供たちが夏休みでどこかに遊びに行きたいというときに、チームに相談すると、それなら辞めろと言われるので、野球しかできない。子供たちも好きなことができない。そういうお母さんからの訴えが多いです」
詳細はリンク先をご覧ください。
少年野球“お茶当番”への母親たちの怒りと苦しみ――筒香嘉智に届いた手紙
https://bunshun.jp/articles/-/22396?page=1
鷲田 康 文春オンライン 2019年12月26日
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筒香嘉智に届いた手紙 堺ビッグボーイズ出身(森友も)
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